オペアンプの内部回路はどうなってる?~オペアンプ初級者向け簡単解説
オペアンプに徐々に慣れてきたら、次に内部回路がどのような構成になっているかを把握しておくと、より動作イメージがつくのでそれについてまとめてみた。
オペアンプの勉強をしていると内部回路がどうなっているか、実際どういう原理で動いているのかが気になってくるところ。
そこで調べているとちょうどいいサイトがあったので、それを参考にまとめておく。
オペアンプの回路構成
オペアンプは一般的に入力段、利得段、出力段の3段構成になっている。

入力段
入力段は差動増幅段で構成されており、2つの端子間の差電圧を増幅。
同相信号成分(端子間に電位差が無い、等しい電圧が入力されている状態)は増幅せずに打ち消す働きをする。
利得段
この差動増幅回路のみでは利得が不十分であるため、利得段によりさらにオペアンプの開放利得を増加。
一般的なオペアンプでは以前の記事でも述べたように、利得段の間に発振防止用の位相補償容量が接続されている。
出力段
出力段は出力端子に接続される抵抗などの負荷の影響により、オペアンプの特性が変化しないようにバッファとして接続されている。
負荷による出力の特性変化(歪、電圧降下など)は、主に出力段の回路構成と電流能力に依存する。
A級、B級、C級、AB級
出力段の種類は一般的に、A級、B級、C級、AB級出力回路があり、出力回路に流れるドライブ電流の量(バイアス電圧の違い)により分類される。
そのドライブ電流量の違いにより出力段で発生する歪率のレベルが変わる。
一般的に歪が小さい順に回路を並べると A級→AB級→B級→C級となる。
参考になる表が下記サイトにあったので載せておく。

A級、B級、C級、D級アンプの違い 【Analogista】
コンパレータの回路構成
オペアンプに対してコンパレータの回路構成はどうなっているかというと、
オペアンプとはぼ同じだが上記でも述べたように、負帰還を構成して使用することは想定されていないため、発振防止用の位相補償容量は内蔵されてない。
位相補償容量は入出力間の動作速度を制限するため、応答時間はオペアンプに比較して格段に向上することになる。
コンパレータの出力回路形式は主にオープンコレクタ(オープンドレイン)タイプ、プッシュプルタイプに分けられる。
上に示すBA10393の内部等価回路では、オープンコレクタタイプの出力回路になっている。